私たちが日々過ごす中で、「自分の人生にオーナーシップを持つ」ということは、単に自己責任を意味するだけではありません。それは、自分自身の選択、行動、そして感情に深く関与し、自分の道を自ら切り拓くことです。前回、私たちはこのオーナーシップの重要性について考えましたが、今回はその一歩先へと進み、オーナーシップを持つことで得られる素晴らしいメリットについてお話したいと思います。
自分を深く知っていく
日々を生き抜く過程を、自分自身で選び、絶えず自己更新していくことは、ゲームに似ているかもしれません。しかし、人生はゲームと根本的に異なり、失敗から簡単に立ち直り、リセットボタンを押せるわけではありません。成功ばかりではなく、失敗もしばしばあり、時には失敗の方が多く感じることさえあります。
しかし失敗と成功を重ねる中で、徐々に「勘どころ」が鋭くなり、直感で進むべき方向が見えてくるようになるのです。これもまたゲームのように感じるかもしれません。具体的には、以下のような勘どころが働くようになります。もちろんこれ以外にもあるとは思いますが、筆者が実際に経験上感じたことです。
- 自分にとっての苦手が何か分かるようになる
- 初期段階で「これは成功する」と直感で感じるようになる
- どのような人と協力することが最も良い結果をもたらすか、最適なパートナーを見つける能力が磨かれる
仲間が増える
先ほど提示した3つのうち、特に自分の苦手な点を把握することが、非常に強力な武器になり得ます。その理由は、自分の弱点を認識し、それを受け入れることで、他人の力を借りる道が開かれるからです。とはいえ、自分の弱点を認めるのは簡単なことではなく、目をそらしてしまうことはよくあります。そんな時期は、必要以上にプライドをもってしまい(プライドは悪いものではありませんが、時に自己成長の邪魔をすることもあります)他人との協力が難しくなりがちです。
しかし、自分の苦手を受入れられるようになると、他人のサポートを得ることができ、自分の得意な分野により深く集中できるようになります。その結果、苦手な分野を他の人がカバーしてくれるため、プロジェクトやタスクの進行速度が格段に速まります。
気づけば、そこには仲間が集まっていて、自分だけのチームが出来上がっているのです。ここでいう「チーム」とは、自分が上に立つというよりは、共通の目的や目標に向かって協力し合う仲間たちの集まりです。単独で挑戦するよりも、仲間がいることで得られる喜びは大きく、困難な状況も一緒に乗り越えられます。共に歩むことで、挑戦できることの幅が広がり、達成感や喜びも倍増するのです。
未来が楽しくなる
「未来が楽しみになる」ことも、人生にオーナーシップを持つことのメリットだと考えます。未来とは、遥か先のことだけを指すのではなく、明日も含みます。新しい挑戦をしたり、自分自身を深く知る過程を経たり、新たな仲間との出会いを楽しんだりすることで、自分が日々成長していると感じることができます。そして、それが未来へのワクワク感、つまり明日に何か新しいことを始めることができる喜びへと繋がります。
大人になると、日々の生活の大部分を占める仕事を通じてスキルアップを図ることは珍しくありません。しかし、子どもの頃のように、「できなかったことができるようになる」という直接的で明確な成長を感じる機会は、徐々に減っていきがちです。自分から積極的に楽しいと感じられることに取り組み、成長し続けることなくしては、成長のチャンスを逃してしまうことになります。しかし、この記事の冒頭で触れたように、人生においてオーナーシップを持つことで、これらの成長や新しい経験を実現することが可能です。
自分の人生にオーナーシップを持つことは、単に責任を持つということ以上の意味を持ちます。それは、自分の未来を積極的に形作っていく力であり、毎日を充実させ、未来に対する期待を膨らませる源泉となります。明日がもたらす新たな挑戦や出会いにワクワクし、自分の可能性を信じて一歩踏み出す勇気を持つことが、人生を豊かにする鍵です。