自分の軸を見つけてスモールスタートを切ろう
あなたは今、何か新しいことに挑戦したいと考えていますか?新しい一歩を踏み出すことは、人生を豊かにする上で欠かせない要素の一つです。しかし、もしあなたが興味の赴くままに、手当たり次第に色々なことに挑戦しようとしているのなら、少し立ち止まって考えてみてください。
一見すると、多くのことに興味を持ち、積極的に挑戦する姿勢は素晴らしいものに思えるかもしれません。しかし、計画性がないままに様々なことに手を出すことは、実は失敗に陥りやすい生き方だと言えます。
なぜ、無計画な挑戦は危険なのでしょうか?
1. エネルギーと時間の分散
多くのことに同時に手を出すと、時間が分散され、結果として非効率になることは容易に想像できます。さらに意識してほしいのは、エネルギーも分散されてしまうということです。エネルギーとは、あなたが何かをしたいという情熱の原動力となるものです。それが分散してしまうことにより、中途半端な結果に終わってしまうのです。
これが最終的な結果として、非効率につながります。色々と挑戦したけれど、何もピンとくる成果が出ていない人は周りにいませんか?あるいは、あなた自身も過去にそういった経験があるかもしれません。
そして、この状態の怖い点は、これによって結局自分は何もできない、何も向いていない、結局何をしたらいいのか、という負のスパイラルに陥ってしまうことです。小さな成功体験の積み重ねが人生を豊かにし、より強いものにしてくれるのですが、この状態では途中で諦める癖がつき、成功とは真逆の方向に向かってしまうのです。
2. スキルの習得が浅くなる
何か一つのスキルを習得するためには、一定の時間と労力を投資する必要があります。一般的に、ある分野でプロフェッショナルとして認められるレベルに達するには、「1万時間の法則」という考え方があります。これは、およそ1万時間の意図的な練習を積み重ねることで、誰でもその分野の専門家になれる可能性があるというものです。
しかし、次々と新しいことに手を出す人は、この基礎を固めるための時間を十分に確保できません。例えば、1万時間を達成するには、毎日3時間練習したとしても10年近くの歳月が必要となります。様々なことに手を出してしまうと、一つの分野に集中して時間とエネルギーを注ぐことができず、結果としてどの分野においても表面的な知識やスキルしか身につかず、1万時間という専門性を確立するための道のりは遥かに遠のいてしまうのです。
3. 目標を見失いやすい
確固たる自分の軸がないままに様々なことに挑戦していると、「一体自分は何がしたいのか」「どこへ向かっているのか」という目標を見失ってしまうことがあります。興味の対象が次々と変わるような状態では、長期的なキャリアプランや人生設計を描くことは困難です。
しかし、明確な軸を一つ持っていれば、たとえ人生においてイレギュラーなイベントや想定外の出来事が起こったとしても、その軸を中心として柔軟に進路や計画を修正することができます。例えば、目標とするキャリアに向けて一直線に進むのではなく、軸となるスキルや価値観を磨きながら、予期せぬチャンスや困難に遭遇した際に、その軸に立ち返って最適な判断を下せるようになるのです。
軸があることで、一時的な成功や失敗に一喜一憂することなく、5年、10年といった長期的な視点で人生を豊かに楽しく生きることが可能になります。軸がない状態では、目先の出来事に振り回され、結果として後悔に繋がる可能性が高まりますが、軸を持つことで、羅針盤のように自分の進むべき方向を見失うことなく、主体的に人生を歩んでいけるのです。
軸を見つける方法
多くの挑戦が中途半端に終わり、目標を見失ってしまうのは、羅針盤を持たずに大海原を航海するようなものです。そこで重要となるのが「自分の軸」を見つけること。軸があれば、変化の波に乗りこなし、着実に目標へと近づけます。
1. 自分の羅針盤を見つける:軸を定めるための探求
自分の軸とは、行動の判断基準となる、深く根ざした価値観や情熱、そして強みの集約です。これは、外部の評価や一時的な感情に左右されない、あなた自身の核となるものです。この軸を見つけるためには、徹底的な自己探求の旅に出る必要があります。
具体的な軸の見つけ方
- 価値観の明確化:
- 過去の経験を振り返り、「何に喜びを感じたか」「何に強い怒りや違和感を覚えたか」を洗い出します。
- もし、お金や地位、名誉などを抜きにして、本当に大切にしたいものは何でしょうか?時間をかけて自問自答してください。
- 例えば、「正直さ」「創造性」「貢献」「成長」「調和」など、あなたにとって重要なキーワードを見つけ出しましょう。
- 情熱の源泉を探る:
- 時間を忘れて没頭できることは何ですか?
- 困難に直面しても、なぜか諦めずに続けられることはありますか?
- 日常の中で、ふと心が惹かれること、知らず知らずのうちに調べてしまうことは何でしょうか?
- 情熱は、行動の持続力を生み出すエンジンです。
- 強みの認識と活用:
- 周りの人から「〇〇が得意だね」「いつも助かるよ」と言われることは何ですか?
- 自分が比較的楽に、そして人よりも高い成果を出せることは何でしょうか?
- ストレングスファインダーなどのツールを活用するのも有効です。
- 自分の強みを理解し、それを活かせる分野で挑戦することで、成功体験を積み重ねやすくなります。
偉人の言葉から学ぶ
「最も重要なことは、魂が求めることを勇敢に追いかけることだ。」 – スティーブ・ジョブズ
この言葉が示すように、自分の内なる声に耳を傾け、魂が本当に求めるものを追求することこそが、軸となる情熱を見つけるための第一歩です。
2. 小さな一歩から始める:スモールスタートの実践
軸が見つかったら、情熱の向かう先へ、最初の一歩を踏み出しましょう。いきなり大きな目標を設定する必要はありません。大切なのは、無理なく始められる小さな行動を起こすことです。
例えば、Webデザインに軸を見出したなら、まずは無料のデザインツールに触れてみる、気になるWebサイトの構造を調べてみる、といったことから始めます。
3. 試行錯誤と内省の繰り返し:成長のエンジン
スモールスタートを切った後は、恐れずに様々なことに挑戦し、その経験から学びを得ることが不可欠です。
「成功への道は、常に建設中である。」 – アーノルド・パーマー
この言葉が示すように、成功への道のりは決して平坦ではありません。トライアンドエラーを繰り返しながら、自身の軸とのずれを修正していくプロセスこそが成長の糧となります。
そして、その過程で最も重要なのが「振り返り」です。小さな一歩を踏み出すごとに、以下の問いに向き合いましょう。
- この行動は、自分の軸と共鳴しているか?
- 何がうまくいき、何が課題として残ったか?
- 次に取るべき具体的な改善策は何か?
まとめ:羅針盤を手に、着実に前進する
無計画な挑戦は、エネルギーと時間を浪費し、迷走と挫折感を生み出します。しかし、明確な自分の軸を持ち、それを指針としてスモールスタートを繰り返すことで、私たちは着実に目標へと近づくことができます。焦らず、一歩一歩、自分自身のペースで進むことこそが、豊かな人生を築くための確実な道となるでしょう。